漫画に特有な擬音語など、語りでの音声化がどうしても難しい箇所の他は、
でき得る限り原作に忠実に再現したいと思っています。
映画版ナウシカしかご存じない方をはじめ、一人でも多くの方にお届けできたら幸いです。
よろしければ気長にお付き合いくださいませ。

nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 17        

「その者、青き衣をまといて金色の野に降り立つべし…」僧正の声を聞きながら、ユパは、広く果てしのない野原を見ていた、どこまでも続く金色の草の向こうから、青い服を着た一人の少女、肩にキツネリスを乗せた…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 16        

「大海嘯…よめたわ、お前の本心、はるか昔、わが皇祖が土鬼の地に降臨した際、土着の者たちにはびこっていた邪教の予言」皇弟は、カッと開いた手のひらを僧正に、その中央にも刺青の目が開き「背教者め!」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 15        

最後に、甲板に降り立った姿、戦艦から照射される光を背に、暗い影が浮かび上がった。
「しずまれ! かしこくも皇弟陛下のご降臨であるぞ!」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 14        

泡が、溶液の中を、上がってくるのは、息? 吐いているのは、ビーカーの底から、ピクッピクッと、動いている、生きている、ユパは信じられない思いで目を見張った、間違いなくそれは、「王蟲がはえている!」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 13        

風の谷の東北東200リーグ、塩の海の岸辺、この時代、人は海の恩恵からも見放されていた、海は、この星全体にばらまかれた汚染物質が最後にたどり着くところだったからだ…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 12        

「この服、土鬼のおばあさんが娘さんの形見をわたしにくれたの、王蟲の血で真っ青だけどちっともイヤなにおいがしない、風の谷のわたしが、王蟲が染めてくれた、土鬼の服を着て、トルメキアの船で出かけるのよ」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 11        

「ミト…」「はい、ここにおります」「ユパを探せ…ナウシカにはユパの助けがいる…」「ハイ!」「おろかなやつだ…たったひとりで…世界を守ろうというのか…ナウシカ」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 10        

「大事なときに谷をあけるけど父はわかってくれると思うの、わたしの不安が、大海嘯だと知れば…」ミトの長い報告を聞き終えたジルは、ベッドに横たわったまま、静かに、「そうか…大海嘯と言ったか」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 9        

「どうしたんだろう…急に心を閉ざしてしまった…教えて! 南には土鬼の国があるわ、そこで何かが始まるの?」「北ヘ、オカエリ…」王蟲は、ゆっくりとナウシカに背中を向け、そして去っていった…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 8        

「ヤレヤレ、無残なことだ、皇帝もビダ族も王蟲を甘くみすぎとる、王蟲は神聖な不可触の生き物だと忠告したのじゃが…」「でもトルメキア軍は全滅したわ!」「ビダ族の戦士もな」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 7        

クシャナは、腰から抜いた短剣を頭のうしろへ、三つに編まれた金色の毛を左手でつかむと、右手に持った短剣で根元から、切った。「そなたたちの無念忘れぬぞ、受けとれ、たむけだ!」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 6        

「ごめん…ごめんね、何もしてあげられない…」指の隙間から涙が落ちる、そのナウシカの手に、王蟲の子が、音もなく、口から金色の触手を伸ばして、そっと触れた。「?…おまえ…」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 5        

「ひと揉みしてみよう、敵の意図がわかるだろう」「しかし、ご自身で出撃しなくても…」クロトワのご注進を、クシャナは最後まで言わせなかった、「深追いなさるな、殿下!」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 4        

「アスベル、先に乗って」「ぼくは、残るよ」「なんですって!?」「メーヴェの二人乗りはもうコリゴリだ」アスベルは、ナウシカをニコリと振り返り、「いくんだナウシカ」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 3        

「王位継承のためなら身内でも平気で売りわたす…王族とは元来そのような人々なのさ」次第にナウシカは返す言葉をなくし、聴こえつづける僧正の声が、どこかナウシカの知らない世界で鳴り響く絵空事のように…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 2        

「失礼いたしました、やんごとなきお方の無理難題にはこの老体とまどうばかりです、わしは名もなき一従卒者にすぎませぬ、姫さまがポケットに何をしのばせておるものやら詮索せぬのが分というもの」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第2巻 - 1        

腐海からせり上がってくるような別の船影を、ナウシカとアスベルはメーヴェから見た。「あれは!?」トルメキアのコルベットよりも巨大で重厚な姿、古代の要塞を思わせる独特なフォルム。「土鬼だ!」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋