漫画に特有な擬音語など、語りでの音声化がどうしても難しい箇所の他は、
でき得る限り原作に忠実に再現したいと思っています。
映画版ナウシカしかご存じない方をはじめ、一人でも多くの方にお届けできたら幸いです。
よろしければ気長にお付き合いくださいませ。

nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 21        

階段の先の回廊を、クシャナは一人、城の奥へと歩いていった。「ナウシカ、お前はお前の道をいくがいい、それも小気味よい生き方だ、私は私の血みどろの道をいく、親兄弟と殺し合う呪われた道をな」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 20        

カイの、最後の一歩が、地を踏む、「カイ!」ナウシカが、カイの首からその地に飛び降りて、カイの首を抱きしめる、ナウシカに首を抱いてもらったまま、カイの、最後の声が、「クー」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 19        

ナウシカは、自分が今まさに土鬼の集団に取り囲まれようとしていることよりも、「カイ!」目の前で苦しそうに喘ぐカイの首を抱きしめて、「立って、カイ、お願い!」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 18        

そこへ、クシャナから離れた、5騎のトルメキア騎兵が、「あなたたち?」「われらお守りします!」走りながら、ナウシカの左に2騎、右に2騎、そして背後にもう1騎、ナウシカを囲むように…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 17        

次第に真正面に向いてくる砲口目がけて、クシャナの駆る馬が突っ込んでいく、騎兵たちもあとに続く、「てぇ!」ついに発射された砲弾は、後方を走る騎兵たちに命中、しかし前方の騎兵たちは一瞬早く…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 16        

「わたしが拒否したらどうする」「ここを去って土鬼軍に加わり、あなたと戦う」「ハハハハ、おもしろい! だとするとお前は私だけでなく世界を相手に戦うはめになるぞ」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 15        

作戦全体の話を終えたクシャナは、続いてそれぞれ個別の指令を、「工兵! 突撃路開通の所有時間は?」「5分、いや3分でやります!」「砲兵は開通と同時に弾幕を襲歩にあわせて前方へ移動」「ハッ!」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 14        

「フフフ、よくもかき集めたものだな、まるでネズミのひっこしだ」「戦利品は指揮官の正当な権利だ!」「兵を死地にすておいてもか?」「だまれっ、叛逆者の分際で何をいうか!」…

文:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 13        

「あとわずかでその者の正体をつきとめるところだったのだが、マニの僧正め、生命をかけてわしの眼をくらませおった」そう言いながらミラルパは、薬液の中にあぐらをかいて全身を浸からせた…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 12        

アスベルは少年に渡された蟲の卵を手にして「卵を盗っても蟲に攻撃されないのか?」、少年は何でもないことのように「盗るのではないもの、お願いして、少しだけもらうんだ」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 11        

「森の人は、火をすて、人界を嫌い、腐海の奥深く棲まう者、蟲の腸をまとい、卵を食し…人間が腐海と共生できるとしたら…」そこへ、森の人が、蟲の体液でできた泡の壁の向こうから、中に入ってきた…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 10        

「王蟲にあいたい…ユパさまや、父上や、谷のみんなにも…」ナウシカが思いを馳せるユパは、ナウシカの腕に包帯を巻いてくれたアスベルとともに、土鬼に撃墜されて、腐海に落ちたまま…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 9        

クシャナのすぐ目と鼻の先で、わずかに残っていた双頭の蛇の旗と、わずかに残っていた部下たちは、吹き飛んだ、目の当たりにしてクシャナは…悲鳴も叫びも、声にはならず、ただ瞳だけが、悲しげに血走って、歪む…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 8        

「なんでこんなところに瘴気が? 腐海から150リーグも飛んだんだぞ」だがまさにそのときクロトワが目の前に見たものは、ムクムクと積乱雲のように湧き上がる巨大な胞子の木、間違いなく、「腐海だ!」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 7        

「苦しい…たすけて…母さん…たすけ…」声が漏れてくる口を、ナウシカは塞いだ、自分の口で、血の溢れる兵の口を、唇で、溢れてくる血を吸って、離して、外に吐く、吸って離して外に吐く、吸って、離して…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 6        

テトが、ナウシカの胸から顔を覗かせ、肩に回り、うしろから顔を寄せるナウシカの目に涙が浮かんでいた、ナウシカは、泣いていた、テトを片手で撫でながら、風で飛ばされないようおさえてあげながらナウシカは…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 5        

赤ん坊を抱えたまま立ち上がるナウシカ、そばにはクシャナ一人、クシャナは、自分に向けられたナウシカの必死な表情に、いぶかしげに視線を返す、そのクシャナに、「この子たちをあずかって! お願い!」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 4        

燃えさかる村、煙にまかれる家々、その間に入り組む狭い道をナウシカのメーヴェは、両脇から音を立てて崩れ落ちてくる炎の合間を縫うように、飛びながら角を曲がり、回廊のように建物に覆われたスレスレを…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 3        

「一つだけ答えろ、お前にこの仕事を命じたのは誰だ? 兄か、参謀総長か」クロトワの額に、嫌な汗がにじんで浮かんだ。「父君、ヴ王陛下御自身であらせられます」クシャナの表情にピクリと、冷たい光が走った…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 2        

「人間は、動物も植物も欲するままにつくりかえられたというのだ」「多くの種は時間とともに消えていったが、いくつかの種は今も残っている、馬は昔は哺乳類だったという話だよ」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋


nausicaa 『風の谷のナウシカ』第3巻 - 1        

「クシャナの戦隊が全滅したときの模様を話してくれんか」「ぼくは見たわけじゃありませんが、半殺しにした幼虫を囮にして、宿営地に群れを呼び寄せたようです」…

原作:宮崎駿 / 語り:物語屋